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小林よしのり
2014.11.18 04:03

民主党の時代よりはいいと言われたら・・


野党がアベノミクス崩壊だと批判すれば、自民党は、

民主党政権のデフレ時代よりはいい」と言うだろうが、

民主党はこう言えばいい。

借金を次世代に押し付けて、中間層の崩壊と、貧困層の拡大

により、景気後退させる安倍政権よりは、次世代のための

財政再建を考えた我々の方がいい

 

異次元の金融緩和と、国家ビジョンなき公共事業では、

財政赤字を増やすだけで、景気は良くならないのである。

民間活力が衰えているのは、将来不安が大きすぎるからだ。

 

少子高齢化の未来が待っているからこそ、将来不安を軽減

させる政策をとることを優先させねば、GDP6割を占める

個人消費は上向かない。

 

少なすぎる富裕層ばかりが儲かっても、高齢者はカネを使わない。

株価が上向いて高級品が売れていると報じるが、株で儲かった

割りには消費してないはずだ。

 

わしはグルメ志向が強いから、ミシュラン星付きのフレンチに

行くが、最近は客が少ない。

バブルの頃はリッチにグルメしていた者たちも、今は高齢者で

昔に比べて食欲が減退しているからだ。

わしも60歳過ぎたら量が食えない。

ワインもフルボトルで飲めない。

 

高級紳士服店に行くと、客が少なくて驚く。

高齢者はファッションに無頓着になっているし、

若い富裕層がユニクロを着るようになったせいだ。

車にファッションにグルメという価値観が、高齢者から

消え失せ、最近の若い成功者にもない。

若者自体がモノに対する執着がない。

老いも若きも、成功者・富裕層が、株で儲かったとしても、

その割にはカネを使っていない。

 

出版界は、消費増税後は壊滅的に本が売れない状態になり、

今もそのダメージは続いていて、雑誌・単行本がとことん

売れない時代になった。

中間層が本を買う余裕がなくなったからだ。

 

自民党の議員は生活実感がなさ過ぎるからわからないのだろう。

GDPショックなどと経済評論家も言っているが、富裕層から、

中間層から、貧困層までの現場を観察しているわしからすれば、

この結果は当然だ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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